BCPが機能しなかった要因トップ5
アンケート結果から読み解く大阪北部地震への対応の課題(第4回)
中澤 幸介
平成19年に危機管理とBCPの専門誌リスク対策.comを創刊。数多くのBCPの事例を取材。内閣府プロジェクト「平成25年度事業継続マネジメントを 通じた企業防災力の向上に関する調査・検討業務」アドバイザー、「平成26年度地区防災計画アドバイ ザリーボード」。著書に「被災しても成長できる危機管理攻めの5アプローチ」がある。
2018/07/05
独自調査
中澤 幸介
平成19年に危機管理とBCPの専門誌リスク対策.comを創刊。数多くのBCPの事例を取材。内閣府プロジェクト「平成25年度事業継続マネジメントを 通じた企業防災力の向上に関する調査・検討業務」アドバイザー、「平成26年度地区防災計画アドバイ ザリーボード」。著書に「被災しても成長できる危機管理攻めの5アプローチ」がある。
6月18日(月)に大阪北部で発生した地震に関する企業へのアンケート調査(有効回答数148)で、BCPが十分機能しなかった要因について聞いたところ、本連載の初回でも紹介した通り、BCPの構築レベルに応じて、事業継続の課題に差があることが明らかになった。
まず、全回答者を通して、最も大きな要因とされたのが「関係部門との情報共有の遅れ」。次いで2位「社員の防災意識の低さ」、3位「そもそも今回の地震はBCPの発動対象ではない」、4位「災害対策本部の設置の遅れ」、5位「社員の安否確認の遅れ」。以降の順位は下記のグラフ1の通り。
回答者には、要因として該当する各項目ごと、「まったくそう思わない」を1、「強くそう思う」を5として、どのレベルにあてはまるかを選択してもらい、その平均値を算出した。例えば1位の「関係部門との情報共有の遅れ」は平均値が2.19ポイントだった。つまり、1位とはいえ、3ポイント以下であることを考えると、全体的には、それほど強く課題と感じているわけではないことが推察される。さらに、全体傾向として、物理的な被害は、すべて下位となっていて、対応面における課題が上位を占めた。
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